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が ん ぎ ょ う じ い せ き
願行寺遺跡 珍しい腰掛け姿の土偶が出土

願行寺遺跡で発見された珍しい腰掛け姿の土偶(縄文時代晩期)

 願行寺遺跡は、青麻山東麓のなだらかな丘陵上に営まれた遺跡です。これまでに発掘調査は行なわれていないため遺跡の詳細は不明ですが、地元の人によって土偶(町指定文化財)が採集されています。腰掛け姿の姿勢をとる珍しい形のもので、乳房が表現されていることから女性像であることが想像できます。手首には腕輪の表現があり、後頭部には雲形の幾何学文様が浮き彫りにされています。この雲形の文様は縄文時代晩期(約2,500年前頃)の土器に多く用いられている文様であることから、この土偶も同時期に作られたものと推定されます。

 縄文時代に多く作られた土偶は、乳房や腹部にふくらみを表現した妊婦と考えられるものがほとんどであることから、子孫の繁栄や転じて豊穣を願った祈りの道具であったと想像されます。縄文時代の中でも土偶作りが流行したのは谷地遺跡など中期(約5,000年前頃)で、晩期(約2,500年前頃)にはそれほど多くありません。願行寺遺跡の土偶は腹部のふくらみが無いことから妊婦を表現したものではなく、姿勢も特異であることから一般的な土偶とは少し違った意味が込められていたのかもしれません。

右腕と脚部が欠損していますが、膝に手を乗せた腰掛け姿を表現しています。
乳房のふくらみが表現され、左手首に腕輪、腰の部分にパンツのような衣服を身に着けています。

DATA
所在地 蔵王町宮字願行寺
時代 縄文時代晩期(約2,500年前頃)
種類 集落跡?
遺構 未調査
遺物 縄文土器、石器、土偶(町指定文化財・願行寺遺跡出土土偶)など
見学メモ
馬頭観音の刻まれた巨石のある町道の十字路周辺のなだらかな斜面一帯が遺跡です。
標柱等は設置されていません。遺跡の現況は畑地・宅地です。

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