じ ゅ う ろ う だ い せ き |
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大量に出土した木器の未完成品(ロクロで椀や皿に加工する前の荒型) |
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水溜めの中から出土した木器の未完成品 |
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手斧で椀や小皿の形に荒く加工されている |
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屋敷の主屋と考えられる建物跡 |
十郎田遺跡は、小村崎地区の円田盆地に西から伸びる細長い丘の上にあります。水田を使いやすいものに作り替える「県営ほ場整備事業」に先立って平成19・20年度に行なわれた発掘調査で、鎌倉時代の屋敷跡が見つかりました。
屋敷は溝で囲まれた方形の区画の中に建物や井戸を配置し、主屋と考えられる廂付きの格式の高い建物が見られます。建物の柱穴などからは陶器の甕や鉢、中国産の青磁片、かわらけの小皿などが出土しています。このような屋敷は、鎌倉時代の武士階級の人物が暮らしたと考えられます。
屋敷の一角には、使われなくなった井戸を転用した水溜めがあり、この中から木器の未完成品が大量に出土しました。屋敷内に木器作りを行なう木地小屋があり、工具で削りやすくするために水漬けされていたと推定されます。
出土したのは、手斧を使って椀や皿、小皿の形に荒く整えたもの(荒型)180点で、ロクロで削って仕上げる前の状態でした。材料は全てケヤキです。ロクロで仕上げた後に漆を塗って、漆器として使われることもありました。
荒型を観察すると、どれも同じように作られているので、腕の良い職人が居たことが分かります。同じ形のものを大量に作っているので、集落内で使われたものではなく、仕上げた製品は市で売られたか、漆職人のところへ売られたのかもしれません。
このような発見は全国的に見ても珍しく、鎌倉時代の地方の武士の暮らしや、モノの生産と流通について考える上で貴重な成果として注目されます。
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所在地 |
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蔵王町大字小村崎字十郎田 |
時代 |
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中世(鎌倉時代、13世紀) |
種類 |
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屋敷跡 |
遺構 |
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建物跡、井戸跡など |
遺物 |
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陶磁器、古銭、木製品など |
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熊野神社付近から南東に向かって伸びる細長い丘の一帯が遺跡です |
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現地には説明看板を設置しています(幹線農道沿い)。 |
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遺跡の現状は水田・畑地・宅地です(発掘調査をした場所は農業用水路・道路になっています)。 |
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