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ゆ う ご っ ぱ ら こ ふ ん ぐ ん
夕向原古墳群 円田・村田盆地境に築かれた前方後円墳

円田・村田盆地境の尾根上に築かれた夕向原1号墳

夕向原古墳群から西に円田盆地と蔵王連峰を望む
夕向原古墳群から東に村田盆地と太平洋を望む
夕向原1号墳の測量図・墳形推定図(藤沢敦2000より)
 夕向原古墳群は、蔵王町と村田町にまたがる標高約159mの愛宕山丘陵の尾根上に築かれた2基の古墳です。1996年に古川一明・青山博樹氏によって発見され、その後1997年にかけて東北大学の藤沢敦氏らによる測量調査が行なわれました。この結果、本古墳群は全長57m、高さ7.5mの前方後円墳(1号墳)と、直径24m程度、高さ2.5mの円墳(2号墳)からなる古墳群であることが判明しました。

 本古墳群ではこれまでに発掘調査は行なわれておらず、遺物も採集されていないため詳細は不明ですが、立地や墳丘の形状などから古墳時代前期末から中期初頭頃(4世紀末〜5世紀初頭、約1600年前)の築造と考えられています。

 本古墳群の立地する尾根上には、南西約300mに古峯神社古墳、500mに愛宕山遺跡が立地しています。また、西約600mの舌状丘陵上には大橋遺跡があります。古峯神社古墳は全長38mの前方後円墳、愛宕山遺跡と大橋遺跡は古墳時代前期(4世紀、約1700年前)の集落跡です。

 本古墳群の立地する愛宕山丘陵は、東西に隣り合う円田盆地と村田盆地を分けるように南北に長く延びています。古墳群からは、西に円田盆地と蔵王連峰、東に村田盆地と遠く太平洋を望むことができます。1号墳は円田盆地内では最大規模の前方後円墳であり、東西の盆地から望める場所に築造されています。このことから、本古墳群は当時の円田・村田盆地を一体的に支配した豪族の墓と考えられます。
DATA
所在地 蔵王町大字平沢字屋木戸内、村田町大字小泉字夕向原・南小谷
時代 古墳時代前期(4世紀末)
種類 古墳
遺構 前方後円墳(主軸長57m)1基、円墳?(直径約24m)1基
遺物 なし
見学メモ
愛宕神社から尾根道沿いに北東約500m地点にある高まりが遺跡です。
遺跡の現状は山林です。標柱等は設置されていません。
地元住民の方々によって愛宕神社から遊歩道が整備されています。

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