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お に こ ざ か の さ く ら |
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円田から平沢に通じる県道脇に立つエドヒガンの古木である。『昔、侍がこの地で6人の村人を切り殺し、その弔いに6本の山桜の苗木を植えた。そのうち1本は枯れたが、残り5本は大木に育った。村人たちは、この桜を伐ると祟りに遭うとして大切に守ったという。地元では種まき桜として現在も親しまれている。』という伝説が残っている。この桜は根元から数本の幹が株立ちになっているが、この伝説でいうところの6本の桜が、一株から生えている幹の数を指したのか、あるいはかつてこの地に6本桜並木があったのかは定かではない。ただ、地元の古老に伺ってもこの地に複数の桜があったという証言は得られていないことから、おそらくは株立ちの幹の数を指したものであろう。
この木が立地している場所は小高い丘になっており、道も地形に沿ってやや急な坂道になっていた。かつてはこの坂道を『鬼子坂』と呼んでいたという。この坂道は1970年代の県道改修工事によって切り通しが作られ、現在では平坦になっている。この工事の際には、わざわざ擁壁(ようへき)を設けてこの桜の根元だけ土を残して保存に努めた。しかし、工事で太根を切ってしまったことに加え、周囲に杉が植えられたことによって日照も不足して樹勢が衰え、株立ちの幹も2本をのぞいて腐朽し、倒れてしまった。杉林に埋もれ、いつしか伝説の桜であることも忘れ去られていった。
2002年、県道の歩道改修工事に伴い一旦はこの木も伐採されることが決まったが、教育委員会によって伝説の残る古木であることが指摘され、マスコミ等にも取り上げられるに及んで、県・町・周辺住民の間で協議が持たれ、原計画を変更してこの木を保存することとなった。現在は、歩道改修工事の計画変更によって作られた緑地内で、地域のシンボルとして手あつく保護されている。
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管理者 |
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北境区 |
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樹種(科名) |
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エドヒガン(バラ科) |
所在地 |
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蔵王町円田字石橋 |
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樹高 |
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約11m |
指定年月日 |
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平成14年3月1日 |
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幹周 |
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地際:1.7・2.0m、胸高:1.6・1.7m |
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推定樹齢 |
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約300年 |
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