平成23年(2011年)東日本大震災による町内の文化財被害状況(概況・第1報)
|
|
地震によって大きくはがれ落ちた前蔵の壁の漆喰(重要文化財我妻家住宅・前蔵) |
平成23年3月11日に発生した標記災害において、蔵王町内に所在する数々の文化財も被災しました。以下、指定文化財に関する被災状況をお伝えします。
なお、本トピックスの内容は3月11・15・16日に町文化財保護係職員が目視で確認し得た被災状況の概況です。今後の詳細調査によって、あらたな破損箇所などが発見される可能性があることをお断りします。また、町内における非指定文化財の被災状況調査は、4月1日現在、実施していないことを申し添えます。
我妻家住宅(重要文化財)
主屋、前蔵、文庫蔵、穀蔵、表門、味噌蔵、土塀などで、壁の崩落や亀裂などの被害が生じました。目視した限りでは軸組にまで影響が及んでいる部分は認められませんでしたが、宅地内にあるほぼ全ての建築物、構造物が影響を受けるという深刻な事態となりました。
※当面の間、見学をお断りしております。
|
|
|
|
主屋 土壁に亀裂が入りました |
|
|
|
前蔵 大部分の壁の漆喰がはがれ落ちました |
穀蔵 土壁に亀裂が入りました |
|
|
|
文庫蔵 左右両方の壁が、漆喰のみならず中塗りまで崩落。鉢巻部分も崩れました |
|
|
|
表門 扉が脱落しました |
土塀 土壁部分が完全に崩壊 |
味噌蔵 土壁に大きな亀裂 |
奥平家住宅(蔵王町指定文化財)
主屋の土壁が崩落するとともに、各所の軸組にゆがみが生じました。
※当面の間、見学をお断りしております。
|
|
|
|
玄関 敷居と柱とをつなぐほぞ組が外れました |
|
|
|
内部 横材が外れました |
壁面 土壁が崩落し、小舞まではがれました |
勝手口 軸組にゆがみが生じ、軒がせり出してしまいました |
丈六阿弥陀如来坐像(宮城県指定文化財)
像体各部にずれ、外れが生じました。
※現状で公開しております。
|
|
|
|
丈六阿弥陀如来坐像 像体各部にずれ、外れが生じました。 |
だるま塚(蔵王町指定文化財・画像左)
塚の周囲にあった石碑3基が倒伏しました。
※現状で公開しています。
白鳥古碑群(蔵王町指定文化財・画像中央、右)
石碑1基が倒伏しました。
※現状で公開しています。
|
|
|
|
だるま塚 石碑が倒伏しました |
白鳥古碑群 石碑が倒伏しました |
曲竹一里塚 附 古碑群(蔵王町指定文化財・画像上段左、中央)
附属指定の古碑群のうち、1基が倒伏、1基が台座からずれました。
※危険なため、近寄らないようにして下さい
鬼子坂の桜(蔵王町指定保存樹木・画像上段右以降)
樹木に影響はありませんでしたが、周辺緑地の石碑群が倒伏しました。また、手すりに亀裂が入るとともに、その基部が陥没しました。
※現状で公開していますが、危険なため手すりに寄りかからないようにして下さい。
|
|
|
|
曲竹一里塚 附 古碑群 石碑が倒伏・ |
鬼子坂の桜周辺 石碑が倒伏 |
|
|
|
鬼子坂の桜周辺 手すりの亀裂と基礎の陥没 |
これら文化財の被害は、関係各位の意志統一をはかりつつ、可能な限り早期に対策を講じていきたいと考えております。 |
平成23年4月5日更新 |