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話し手
編 集 |
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伊藤みどり(蔵王町北境区)
蔵王町教育委員会(2010) |
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むかしむかし、器量の良い娘がいたんだと。
娘は親と一緒に住んでるんだけども、その娘の部屋さ毎晩、姿のいい若衆が、忍んで来るようになったんだと。
その若衆、どっかから来るもんやら音も立てないで『スーッ』と来て、娘とヒソヒソ話して、「スーッ」と帰って行くんだと。
そんなことが、毎晩毎晩続いていたら、その娘、だんだんと青ざめて、元気なくなってしまったんだと。
親たちは
「娘や、体の具合悪くなったんか、それとも心配ごとあんのが」と聞いたんだ。
娘は、
「毎晩のこと、姿のいい若衆が、どっから来るもんだかわからないけど来て、帰って行く時も(スーッ)と姿消してしまうんだ」
親たちは
「それはきっと魔物だ、こんど来たら若衆の着物の裾さ、気づんねように針を(スイッ)を刺して、その糸長くして、わからんねようにしてみろ」と言ったんだと。
(後編へつづく)
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※「蔵王町史 民俗生活編」掲載の「蛇の若衆(話し手:伊藤みどりさん)」に基づき、その内容・意味・趣旨に変更を加えることなく、文体修正・一部文章修正を行いました。
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2010.11.10更新 |
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