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話し手
編 集 |
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菅井酉治さん（蔵王町遠刈田温泉）
蔵王町教育委員会(2009) |
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※このお話は、「カエルとサルの知恵くらべ」の後編です。前編及び中編をお読みになっていない方は、先に「カエルとサルの知恵くらべ」（前編・中編）をお読み下さい。
ところで、カエルの方はというと、ぴょんぴょんとはねながら臼を追っかけたんだけども、もちろんサルにはかなわずに、だいぶ遅れてしまった。ところがカエルは、坂の途中の木の根っこのところに、臼からはずれた餅がひっかかったのを見つけたんだ。カエルは喜んで、池のほとりまで餅を運んでいって、ひとりで食い始めたんだと。
そこに、しょんぼりしたサルが通りがかって、
「カエルさんや、どうかオレにも餅をわけてくれないか？」
と、頼んだんだと。カエルは、さっきサルから受けた仕打ちもあって、嫌だといったんだけど、あんまりにもサルががっかりしているのを見てかわいそうになって、
「そんなに食いたいなら、わけてやるから、尻を向けろ。」
と言ったんだと。
サルが喜んで尻を向けたところに、カエルは、ちぎった餅を思いっきり投げつけてやったんだと。つきたての熱い餅が尻にねばったサルは、
「あち！あち！」
とはね回りながら、尻から餅をはがしてぺろりと平らげて、またカエルに、
「カエルさんや、もう少し餅をわけてくれないかね？」
と、頼んだんだと。そしたらカエルは、
「そんなに食いたいなら、今度は顔を向けろ。」
と言ったんだと。
サルが喜んで顔を向けたところに、カエルは、さっきと同じように、ちぎった餅を思いっきり投げつけてやったんだと。今度は、熱い餅が顔にねばって、やはりサルは、
「あち！あち！」
とはね回りながら、顔から餅をはがしてぺろりと平らげたんだけど、このとき以来、餅がねばったサルの顔と尻は真っ赤になってしまったんだと。
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※「蔵王町史 民俗生活編」掲載の「蛙と猿の知恵くらべ（話し手：菅井酉治さん）」に基づき、その内容・意味・趣旨に変更を加えることなく、文体のみ修正しました。
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| 2009.12.28更新 |
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