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大きな溝と建物群跡を発見−西屋敷遺跡

 西屋敷遺跡は、小村崎地区の円田盆地の北端に伸びる丘の上にあります。近くには、土塁と溝で五角形に区画された中世の西小屋館跡や、江戸時代後期の奥平家住宅(町指定文化財)などが立地しています。

 発掘調査は、農地を使いやすく造り替える「県営ほ場整備事業」の工事に先立って行われているものです。西小屋館跡の西側から、土地を区画する大きな溝の跡と掘立柱建物跡群が見つかっています。

 溝跡は幅1.5〜2.5mほどで、位置を変えながら5回ほど掘り直されています。西小屋館跡の西側に隣接して東西40mほどの範囲を囲んでいるとみられます。掘立柱建物跡群はこの溝の内側で見つかっています。

 発見された溝跡や建物跡がいつ頃の時代に使われていたものか、今のところ不明です。隣接している西小屋館跡とはどのような関係があるのか、これからの調査で明らかになるかもしれません。

発掘調査の様子。丸く土の色が違う部分が、昔の建物の柱の跡です。たくさんの建物が繰り返し建てられた場所だったことが分かります。柱の跡を図面に記録した後で、それぞれ掘り下げて調査していきます。
調査では初めに現在の畑の土を重機で取り除きます。溝や建物の柱穴の跡が見えてきました。 快晴の日は発掘現場から蔵王連峰が望めます。残雪もだいぶ少なくなってきました。
溝や柱穴の跡を確認した状況(6区、北から撮影)。写真左の西小屋館跡(杉林のところ)に沿って溝の跡が見つかり、その西側で建物の柱の跡が多数見つかっています。溝は写真手前で西に折れています。 溝や柱穴の跡を確認した状況(6区、南から撮影)。写真右手前の休耕田の部分が西小屋館跡の堀の跡で、その奥の杉林の部分に土塁(どるい:土を土手のように積み上げたもの)が続いています。
溝の跡を確認した状況(5区、西から撮影)。写真正面奥の杉林のところが西小屋館跡です。 溝跡は西に40mほど伸びたところで南にカーブしており、西小屋館跡に隣接して区画がつくられています。
平成21年6月5日更新
 
 

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