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遠刈田地区

蔵王町指定文化財 遠刈田製鉄所高炉跡
(とおがったせいてつしょ こうろあと)

国内唯一! 現存する明治期製鉄所の遺構

 明治41(1908)年に完成した遠刈田製鉄所の、レンガ製基礎部の遺構です。

 明治34年の官営八幡製鉄所(やはたせいてつしょ)にはじまったわが国の製鉄業は、明治末期には、全国各地で民営製鉄所が建設されるまでになっていました。遠刈田製鉄所もそのひとつで、日本製鉄株式会社の製鉄所として建設されました。設計者は、「わが国製鉄業の元勲(げんくん)」の呼び名も高い製鉄技術の第一人者、野呂景義(のろかげよし)で、1日15トンの製鉄能力がありました。

 明治40年の着工から2年間の工事で完成した遠刈田製鉄所ですが、鉄鉱石の入手難や資金不足に直面し、一度も稼動しないまま会社が解散してしまいました。その後、遠刈田製鉄所の施設は広島県の山陽製鉄所に売却・移設されましたが、レンガ製の基礎部は解体が難しかったためか、この地に残されました。

 わが国の製鉄業が生まれてから、すでに100年以上。時代の流れの中で、黎明期の製鉄施設はすべて取り壊され、姿を消してしまいました。その中にあって、この遠刈田製鉄所のレンガ製基礎部は、国内でたった一つ残された、貴重な近代製鉄業の遺構なのです。

平成2年の発掘調査で発見された、熱風炉(ねっぷうろ)の基礎 完成当時のようす。右側の高い施設が高炉で、中央の3連塔が熱風炉(当時発行の絵葉書より)

アクセスマップ

所在地 蔵王町遠刈田温泉字遠刈田北山31-1
所有者 蔵王町
公開日 いつでも
料 金 無料
アクセス ミヤコーバス「遠刈田温泉」停留所から徒歩5分
駐車場 あり(道路向かいの遠刈田公園の駐車場をご利用下さい)
現地までの案内表示 なし
現地での説明表示物 なし
見学のための手続き 特にありません。ご自由にご見学下さい。
見学地の整備状態 未整備

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