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蔵王町には現在、神楽(かぐら)、田植踊(たうえおどり)、春駒(はるこま)、盆踊(ぼんおどり)といった昔ながらの民俗芸能が伝えられています。 かつては、これらの他にもたくさんの民俗芸能がありましたが、生活様式の変化や後継者不足によって、次の世代に伝えられることなく失われてしまいました。 歌や踊り、楽器演奏などの芸能は書物だけで伝えるのは難しいものです。確実に次の世代に伝えるためには、人から人に実際のやり方を直接教えるという方法しかありません。現在残されている民俗芸能は、多くの困難を乗り越えて伝承されたとても貴重なものなのです。町の教育委員会でも、町内の神楽・田植踊・春駒を町指定文化財に指定して、伝承のお手伝いをしています。 これから何回かにわたって、民俗芸能についてのお話をお送りしていきます。皆さんに少しでも民俗芸能に興味を持っていただければ嬉しいです。 まず初めに。民俗芸能とはなんでしょうか? 簡単に説明すると、民俗芸能とは『地域の中で長い間育まれ、伝承されてきた歌や踊り、楽器演奏』のことです。日本全国、それぞれの地域で育まれた様々な民俗芸能が伝えられています。これらは、日本古来の伝統文化を伝えていたり、豊かな地域色が反映されていたりと、私たちの国や地域の成り立ちを伝える生きた文化財とも言えるとても貴重なものです。 ではなぜ、様々な民俗芸能が残されているのでしょう? その理由は、民俗芸能が宗教や信仰と深い関わりがあるからだと考えられています。ほとんどの民俗芸能は、地域の神社仏閣のお祭り、人々の長命を祈る行事、五穀豊穣などの幸福を願う行事、悪霊のお祓い、清め、死者の供養など、私たち日本人の生活にとけこんでいる宗教的・信仰的な行事の際に行なわれます。 古くから日本では、幸福や災い、自然現象などすべてのことが、神仏の意志によって引き起こされると信じられてきました。そのため、多くのお祭りや行事は、神仏の怒りをしずめたり、楽しませたりすることを目的として行われてきたのです。私たち人間は、歌や踊、音楽などの芸術を鑑賞すると楽しくなりますよね? 神仏も私たちと同様に、芸能によってなぐさめられ、楽しむのだと信じられてきたのです。それゆえ、人々が生活していく中で、神仏に捧げる芸能が必要不可欠なものとして、伝承されてきたのです。 蔵王町に伝わる民俗芸能には、次のようなものがあります。 |
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・白山神社神楽(円田地区) ・宮刈田嶺神社神楽(宮地区) ・平沢榊流神楽(平沢地区) ・小村崎の田植踊(小村崎地区) |
・八雲神社神楽(永野地区) ・小村崎榊流神楽(小村崎地区) ・榊流東根神楽(東根地区) ・小村崎の春駒(小村崎地区) ・盆踊 |
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一つの町という限られた地域の中に古い神楽が6つも伝えられている事が、蔵王町の民俗芸能の特徴の一つです。これらの神楽は、毎年行なわれる神社のお祭りで奉納されているので、見たことがある方も多いと思います。でも、それぞれの神楽のもつ意味や内容、そこに込められた人々の思いがどんなものなのかを私たちが知る機会はあまり多くありません。そこで次回は神楽について少しだけ詳しいお話をしてみたいと思います。 |
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2010年12月15日更新<R> |
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