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朝日山のきつねっこ(2)(後編)

話し手
記 録
編 集


不明
平沢青年委員会(1984)
蔵王町教育委員会(2010)

※このお話は、「朝日山のきつねっこ(2)」の後編です。前編をお読みになっていない方は、先に「朝日山のきつねっこ(2)」(前編)をお読み下さい。

 じいさんが馬小屋のところに来ると、あるはずの馬小屋が見当たらなくて、かわりに、馬小屋があるはずのあたりが「ほうっ」と明るくなってたんだと。じいさんが明るい方へ行ってみると、見たこともない門があって、お祭りみたいにのぼりが上がっていて、門の上からは紅白の垂れ幕が下がってたんだと。じいさんが、門の中をのぞいてみようと幕に手をかけた時だった。

 「オラの馬の尻に頭突っ込んで、何すんだ?」って、馬番の声がしたかと思ったとたん、パカっ!!って音がして、じいさんはものすごい勢いで吹っ飛ばされたんだと。

 昼間におどかしたキツネが仕返しにじいさんを化かして、馬のシッポを紅白の垂れ幕だと思い込ませたんだ。じいさん、門の中をのぞくつもりで馬の尻に顔をおっ付けて、びっくりした馬に思いっきり蹴とばされてしまったんだと。

 馬に蹴られたじいさん、遠く朝日山の上の方まで吹っ飛ばされて、さんざんな目にあったんだとさ。だから、人でもきつねでも、あんまり驚かしたりするもんでねぇってことなのさ。


 ※「平沢むかしむかし」掲載の「朝日山のきつねっこ」に基づき、その内容・意味・趣旨に変更を加えることなく再構成したものです。
 ※「朝日山」は、現在の地名で言うと「平沢字諏訪舘(すわだて)」の一部にあたります。ちょうど「字諏訪舘」「字長窪(ながくぼ)」「字八ヶ屋敷(はっけやしき)」の間あたりです。
 ※「古寺(フンデラ)」は、現在の地名で言うと「平沢字高橋」の一部にあたる古地名です。現在は平沢字台屋敷に所在する「清立寺」が移転前にあった場所であることから付けられたと伝わっています。
2010.9.14更新

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