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平沢地区

蔵王町指定文化財 だるま塚 (安養寺参道跡保存地区)
(だるまづか・あんようじさんどうあとほぞんちく)

安産の教えを説いた「だるま講」の象徴

 平沢地区には、全国でも稀にみる独特な民間信仰「だるま講」が根付いています。この講は明治期にはじまった安産祈願の女人講で、最盛期には、北は仙台、南は福島あたりにまで広まり、祭日には地元の学校が休みになるほどの大賑わいだったそうです。「だるま塚」は、臨月を迎えた妊婦の腹部を象った塚で、周囲に建てられた、安産の知識や人生訓などを刻んだ15基の碑とともに、この講の象徴となる遺構です。

 だるま講は、もとは五十嵐ぶん水(ぶんすい)という産科医師が始めた安産指導の啓発事業でした。ぶん水は江戸末期に産科医学を学んだ人で、医師として活躍しながら、弥陀の杉のかたわらにだるま堂を建てて講を開き、西洋産科医学の知識と民間療法とをうまく取り合わせて安産教諭を行いました。この教諭は、ぶん水がだるま大師を信仰していたこともあって、だるまの教えとして広く浸透しました。後年、医学知識の啓発という色合いが薄れ、安産祈願の民間信仰へと姿を変えましたが、安産を願う人々の心に応えるというぶん水の精神は脈々と受け継がれているのです。

臨月を迎えた妊婦のお腹を象徴している。安産を願う心は、いつの時代も変わらない 別名「ぶん水塚」。蓋石には「平沢のぶん水塚のお茶の花 煎じて飲めば産が軽いぞ」などの教えが刻まれる

アクセスマップ

所在地 蔵王町大字平沢字丈六78-1
所有者 蔵王町
公開日 いつでも
料 金 無料
アクセス ミヤコーバス「平沢」停留所から徒歩10分
駐車場 あり
現地までの案内表示 なし
現地での説明表示物 あり(文化財説明板)
見学のための手続き 特にありません。ご自由にご見学下さい。
見学地の整備状態 普通

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